ワンちゃんのカーミングシグナル

チワワ

犬のカーミングシグナルとは犬に生まれつき備わっている非音声言語で、不必要な争いを避けるため、相手に自分の立場や感情を伝えるためのものです。
カーミング(落ち着かせる)シグナル(合図、信号)=自分と相手とを落ち着かせるための合図ともいえるでしょう。
またカーミングシグナルは犬が不安やストレスを感じた時にも発します。

ここでは27種類あるカーミングシグナルのうちに代表的なものをご紹介しますので、トレーニングやしつけの他、日常のコミュニケーションに取り入れることによってさらに犬と仲良くなりましょう!

○背中を見せる

相手を落ち着かせるために見せる行動です。
合図としては強めの合図に部類されるもので、通常は上位にある犬に向かってする行動ですが、上位にある犬が下位の犬に向かってこの行動を見せた時は「心配ないよ」ということを知らせる場合もあります。

○顔、目をそらす

ちょっとだけ怖いな〜と思う相手に対してする行動です。
そ〜っと行動しながら様子を見て、状況によってはその場を離れることもあります。

○座る、伏せる

ダックス 伏せ

争いを避け、自分と相手を落ち着かせようとする時にする行動です。少し離れた場所で相手を直視しなかったり、相手に対して斜めに座ることが多いようです。

○相手の口〜口の横を舐める

もともとは子犬がエサをねだる時に母親の口元を舐める行動。
この行動が成長とともに服従表現、喜び、相手への敬意を表す表現に変わったものです。

○おしっこをする

相手に対して敵意がないこと、親愛の情を伝えたい時に出る行動です。
ですが単に気持ちが落ち着きがない時や、他の犬に対して自分を誇示したい時にも見せることがあります。またお散歩の途中でおしっこをして飼い主を見るという行動は、飼い主に対して最高の愛情を表す合図です、

○間に割り込む

相手の犬を牽制しようとする時に出る行動です。
よくやきもちのように思われがちなこの行動ですが、飼い主に対して「気をつけて!」と警告する意味を持っており、快く思っていない相手と無用の争いを避けるため事前に防ぐという効果も。人間で例えるなら、状況を察してほしい時の咳払いのようなものといえるかもしれません。

○あくびをする

トイプードルあくび

主に気持ちが高ぶった時や、不快感を感じた時に出る行動です。 例えば眠いのにベタベタと構われている時、あまり親しくない相手に頭を撫でられている時など・・・その他、不安や恐怖を抑え込もうとしている時にもあくびが出ることがあります。
また飼い主が怒っている時にも見せることがあるので、その時には怒ることを一旦やめることをお勧めします。

○相手側に横腹を見せながらゆっくりと歩く

相手の反応を見ている状態です。どちらか片方ではなく、両者で行うことも多いです。

○姿勢を低くする

いまにも飛びかかりそうなこの体勢は、歓迎や喜びの合図です。また遊ぼうよ!と誘っている場合もあります。

○カチカチと小刻みに歯を鳴らす

相手を落ち着かせようとする行動です。恐怖を感じているわけではありませんが、首の毛が逆立っていたり、歯をむき出しにしている時には威嚇の合図になります。

○尻尾をふる

小さく振ったり大きく振ったり、はたまた身体全体を使うようにして振ったり。尻尾の振り方は様々ですが、大概の場合は好意や喜ぶ気持ちを表しています。
ですがもし尻尾をピンと上げて、「小刻みに振る」「ゆっくり上げたり曲げたりする」などする場合には好意とは真逆の意味を表します。

○噛んだ後に舐める

噛んだことを後悔した犬が謝っていると解釈する飼い主さんが多いそうですが、それは大きな間違いです。実際にはその真逆で「もう逆らうんじゃないぞ」という表現になります。放っておくと飼い主と犬とのリーダーシップが逆転しかねませんので注意が必要です。

まとめ

シェパード

もちろん、すべての犬のすべての行動がこれにあてはまるわけではありません。
それぞれの個性もありますし、母犬や兄弟たちから早いうちに引き離された犬や、集団生活の経験が少ない犬などはカーミングシグナルの表現が苦手だったり、理解することができない場合もあります。
大切なのは、犬たちが「こういった表現がある」「気持ちを伝えようとする意思がある」ということ、そして私たちがそういった犬たちの気持ちを理解しようとする気持ちを持つことではないでしょうか。

愛犬とのより深い絆を作るためにも、この「カーミングシグナル」ぜひ役立ててくださいね。

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